60GHz帯 短距離無線機器(SRD)の無線認証 - タイ -
- Fumito Morishima
- 5月8日
- 読了時間: 2分
WiGigや高速通信を目的とした60GHz帯の無線技術が注目を集める中、タイでこの帯域を利用するには、NBTC TS 1025-2557 という技術要件に準拠する必要があります。この記事ではその内容について説明します。
適用範囲
この技術要件は、57GHz - 66GHz帯の周波数を使用する、短距離無線通信(SRD)用途の無線LANやWPAN機器を対象としています。固定通信サービス(Fixed Service)には適用されません。
認証の種別
Class A に該当します。
送信出力の制限
以下の表のとおりに規定されています。
周波数帯 | 最大送信出力(EIRP) | 出力密度 (EIRP) |
57GHz - 66GHz | 10W | 20mW/MHz |
不要輻射
以下のいずれかの規格に準拠する必要があります。
1) ETSI EN 302 567
周波数帯 | 制限値 | 測定帯域幅 |
---|---|---|
30MHz - 47MHz | –36 dBm | 100 kHz |
47MHz - 74MHz | –54 dBm | 100 kHz |
74MHz - 87.5MHz | -36 dBm | 100 kHz |
87.5MHz - 118MHz | –54 dBm | 100 kHz |
118MHz - 174MHz | -36 dBm | 100 kHz |
174MHz - 230MHz | –54 dBm | 100 kHz |
230MHz - 470MHz | -36 dBm | 100 kHz |
470MHz - 862MHz | –54 dBm | 100 kHz |
862MHz - 1GHz | -36 dBm | 100 kHz |
1GHz - 132GHz | -30 dBm | 1 MHz |
2) FCC CFR 47 Part 15.255
周波数範囲 | 制限値 | 測定距離 | 備考 |
---|---|---|---|
9kHz - 490kHz | 2,400uV/m/周波数 [kHz] | 300m | FCC section15.209 に準拠 |
490kHz - 1.705MHz | 24,000uV/m/周波数 [kHz] | 30m | 同上 |
1.705MHz - 30MHz | 30uV/m | 30m | 同上 |
30MHz - 88MHz | 100uV/m | 3m | 同上 |
88MHz - 216MHz | 150uV/m | 3m | 同上 |
216MHz - 960MHz | 200uV/m | 3m | 同上 |
960MHz - 40GHz | 500uV/m | 3m | 同上 |
40GHz - 200GHz | 90 pW/cm² | 3m | FCC section15.255(c) に準拠 |
アンテナの要件
機器は内蔵アンテナ(integral antenna)を備えており、外部アンテナ接続用の端子を持たないことが求められます。
電気的安全性に関する要件
以下のいずれかの規格に準拠することが求められます。
IEC 60950-1 : Part1: General Requirements
IEC 62368-1 : Part1: Safety Requirements
TIS1561-2556 : Security Part1: General Requirements
人体への放射暴露に対する要件
無線通信機器の使用における人間の健康と安全に関する基準を定義した NTC TS 5001-2550 にしたがう必要があります。
参照 : 無線通信機器の人の健康に対する安全基準
注意点
Class A に該当する装置を輸入販売する場合には、NBTC のサプライヤコードが必要になる点と、NBTCラベルの手配が必要となる点に注意して下さい。また、関連ライセンスの要否も確認が必要です。
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NBTC TS 1025-2557 の原文
関連ページ : タイの電波法とNBTC無線認証の取得