免許不要な無線LAN(WLAN/RLAN)機器の技術要件と運用条件 - ベトナム -
- Fumito Morishima
- 2月21日
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更新日:4月18日
無線LAN(WLAN/RLAN)技術は、Wi-Fiをはじめとするワイヤレスネットワーク通信の基盤として、個人や企業、公共インフラに広く導入されています。
ベトナムでは、「Circular No. 08/2021/TT-BTTTT」にて、ライセンス不要で使用できるWLAN/RLAN機器の技術基準および運用条件が定められています。
本記事では、ベトナムにおけるWLAN/RLAN機器の使用可能な周波数帯、最大送信出力、スプリアス発射制限および追加の運用条件、そして認証の要否について解説します。
適用周波数帯と技術要件
以下の表は、ベトナムで使用可能なWLAN/RLANの周波数帯と対応する技術要件です。
周波数帯 | 最大送信出力(EIRP) | スプリアス発射制限 | その他の条件 |
---|---|---|---|
2400 - 2483.5 MHz | ≤ 200 mW(FHSS機器) ≤ 10 mW/MHz(その他の変調方式) | QCVN 54:2020/BTTTT | テレコミュニケーション法、情報セキュリティ、データ保護規制を遵守 |
5150 - 5250 MHz | ≤ 200 mW EIRP and ≤ 10 mW/MHz | QCVN 65:2021/BTTTT | 屋内または電磁シールド環境(車内など)での使用のみ許可 テレコミュニケーション法、情報セキュリティ、データ保護規制を遵守 |
5250 - 5350 MHz | 送信電力制御あり
≤ 200 mW EIRP
and
≤ 10 mW/MHz
送信電力制御なし ≤ 200 mW EIRP and ≤ 5 mW/MHz | QCVN 65:2021/BTTTT | DFS(Dynamic Frequency Selection)機能を搭載することが必須 テレコミュニケーション法、情報セキュリティ、データ保護規制を遵守 |
5470 - 5725 MHz | 送信電力制御あり
≤ 1W EIRP
and
≤ 50 mW/MHz
送信電力制御なし ≤ 500 mW EIRP and ≤ 25 mW/MHz | QCVN 65:2021/BTTTT | DFS(Dynamic Frequency Selection)機能を搭載することが必須 テレコミュニケーション法、情報セキュリティ、データ保護規制を遵守 |
5725 - 5850 MHz | ≤ 1W EIRP and ≤ 50 mW/MHz | QCVN 65:2021/BTTTT | テレコミュニケーション法、情報セキュリティ、データ保護規制を遵守 |
57 - 66 GHz | ≤ 10W EIRP | QCVN 88:2015/BTTTT | 内蔵アンテナの使用が必須 屋外の固定設置は禁止 テレコミュニケーション法、情報セキュリティ、データ保護規制を遵守 |
型式認証(TA)または適合宣言(DoC)の要否
ライセンス不要のWLAN/RLAN機器であっても、ベトナム市場で販売・使用するためには、ベトナム情報通信省(MIC)の技術要件(QCVN)に適合することを証明する認証が必要となります。周波数別の必要な認証は以下の通りです。
2.4GHz帯
必要な認証
型式認証および適合宣言
対象となるHSコード
8517.62.51
準拠する技術要件
QCVN 54:2020/BTTTT
QCVN 112:2017/BTTTT
特別な条件
出力(EIRP)が60mW未満の装置については認証の対象外
5GHz帯
必要な認証
型式認証および適合宣言
対象となるHSコード
8517.62.51
準拠する技術要件
QCVN 65:2021/BTTTT
QCVN 112:2017/BTTTT
特別な条件
出力(EIRP)が60mW未満の装置については認証の対象外
※ Circular No. 08/2021/TT-BTTTTの原文
関連 : ベトナムの電波法とICT無線認証の取得