タイで通信サービスを提供する場合、そのサービス内容に応じた適切な電気通信事業者ライセンスが必要です。無線通信装置の販売だけであれば、電気通信事業者ライセンスは必要ありませんが、例えば契約済みのSIMカード挿入した状態で無線通信装置を販売してサービス料金を徴収するといった、IoTサービスでよくみうけられるケースではライセンスが必要となるので注意が必要です。
ここでは、電気通信事業者ライセンスの概要を説明します。
電気通信事業者ライセンスの種類
タイの電気通信事業者ライセンスには3つのタイプがあります。タイプ1は既存の公共通信網を利用した通信サービスの提供、タイプ2はプライベート通信サービスの提供、そしてタイプ3は公共通信サービスの提供です。それぞれのサービス例は以下の通りです。
タイプ1
国際電話カードの販売
電気通信サービスの再販
GPSトラッキングサービス
車両モニタリング(VMS)サービス
タイプ2
専用回線サービス
業務用無線サービス
タイプ3
携帯電話サービス
国際電話サービス
衛星通信サービス
ライセンスの有効期間
タイプ1とタイプ2には有効期限はありません。公共通信サービスを提供するタイプ3 は15~25年の有効期限となります。
申請者に必要な資格
申請者はタイ法人である必要があります。またタイプ2とタイプ3においては、タイ法人であっても外国資本の会社は申請できません。
申請に必要な資料
申請時には、以下の資料の提出が求められます。
申請書
申請法人の情報
サービスの内容
技術的な情報
事業計画、財務計画、投資計画
サービス品質に関する情報
報告・申請義務
申請者はサービスの終了までの期間、以下の報告を求められます。
サービス開始前 : 定期報告
サービス開始時 : サービス開始報告
サービス提供中 : 年次レポート
サービス延長時 : 延長申請
ライセンス料金の支払い
収益に応じたライセンス料金の支払い義務があります。ライセンス料率は以下の表の通りです。
収益額 | ライセンス料率 |
---|---|
~ 1億バーツ | 0.125% |
1億バーツ ~ 5億バーツ | 0.25% |
5億バーツ ~ 10億バーツ | 0.5% |
10億バーツ ~ 100億バーツ | 0.75% |
100億バーツ ~ 250億バーツ | 1.0% |
250億バーツ ~ 500億バーツ | 1.25% |
500億バーツ ~ | 1.5% |
ライセンス料は、決算後150日以内に支払う必要があり、以下の資料を合わせて提出します。
年次財務諸表
電気通信事業ライセンス料の支払い書
電気通信事業における収益額
過去1年間の経営状況の報告書
支払いが期日を超過した場合は、毎月支払い総額の1.5%が支払額に追加されていきます。
関連 : タイの電波法とNBTC無線認証の取得
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