実験・試験用途の一時的な周波数使用許可について - タイ-
- Fumito Morishima
- 5月30日
- 読了時間: 3分
タイで無線機器の実験や試験を行うには、一時的な周波数使用許可が必要です。これは、国家放送・通信委員会(NBTC)によって定められたガイドラインに基づき、商用利用ではなく、一時的かつ非営利の目的に限定されます。この記事では、NBTCが告示したガイドラインの概要について説明します。
許可要件
一時的な周波数使用許可の条件は以下の通りです。
主目的は試験または実験であること
実施期間は一時的であり、公衆向けの商業サービスを行わないこと
新技術、周波数、新しい通信標準、または国内未使用の方式であること
学術的根拠に基づいた試験であり、検証と評価が伴うこと
技術的能力と必要な人員が確保されていること
国家法や政策に反しないこと
他の通信網や無線局への過度な干渉を生じさせないこと(ただし干渉試験を除く)
申請に必要な項目
申請時には、少なくとも以下の情報を提出する必要があります。
試験・実験の名称、背景、目的、必要性
申請者と連絡担当者の詳細
使用したい周波数とその使用範囲
実施場所、使用する機器の台数と詳細
技術資料(カタログや仕様書など)
試験・実験の実施期間およびスケジュール
その他の補足資料(必要に応じて)
許可の有効期間
許可の有効期間は最大180日間
更新申請が認められた場合の合計期間は最大270日間まで
法令・条件の遵守
許可保持者は、本ガイドラインおよび関連法規をすべて厳守しなければなりません
申請時の目的と異なる内容での使用や、条件違反があった場合、NBTCは許可を即時停止または取り消すことができます
許可が停止・取消された場合でも、損害賠償や補償は一切認められません
周波数使用時の注意義務
許可保持者は、国際的に通用する専門的な注意義務を持って周波数を使用すること
他の無線通信ネットワークや局への干渉が起きないよう最大限の配慮を行うこと
万が一干渉が発生した場合は、直ちに使用を中止し、NBTC事務局へ速やかに報告すること
試験・実験終了時の義務
試験が終了する、あるいは許可期間が満了した場合、以下の対応が必要です。
終了日をNBTCに通知し、60日以内に詳細な試験結果報告書を提出すること
周波数の使用を直ちに停止すること
使用した機器・ネットワーク・システムを30日以内に撤去または国外へ送還すること(ただし、すでに国内で合法的に使用されていた機器は除く)
その他注意点
許可は他者に譲渡できません。
実験や試験が原因で第三者に被害が生じた場合、許可取得者が全責任をおうことになります。
お問い合わせ・ご相談
ACTIVIO では、NBTC認証に関する以下のサポートを行っています:
NBTCへの申請代行
申請書類の確認・手配
試験場の手配と試験の実施
タイ現地代理人の手配
関連ライセンスの申請代行
告示 原文
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