タイにおいて920MHz帯をデータ通信で利用する無線装置(RFID以外)の規制は、"NBTC TS 1033-2560"で規定されています。ここでは、その内容を説明します。
周波数帯域幅
以下の範囲であること
920MHz - 925MHz
送信出力
最大送信出力が 4W (eirp) 以内であること
なお、最大出力により必要なライセンスと通信装置のクラスが以下のように分類されます。
最大出力 | ライセンス | 装置のクラス |
---|---|---|
50mW (eirp) | 販売ライセンスが必要 | SDoC |
0.5W (eirp) | 販売、製造、輸入ライセンスが必要 | Class A |
4W (eirp) | 関連する無線通信ライセンスが必要 | Class A |
不要ふく射
以下のいずれかの要件にしたがっていること
ETSI EN 300 220-1
| 47 MHz to 70MHz 87.5MHz to 118MHz 174MHz to 230MHz 470MHz to 790MHz | Other frequencies below 1GHz | Frequencies above 1GHz |
---|---|---|---|
送信モード | -54dBm | -36dBm | -30dBm |
受信モード | -57dBm | -57dBm | -47dBm |
FCC Part 15.247
Frequency Range | Spurious domain emission limits |
---|---|
9kHz - 490kHz | 2400uV/m/F(kHz) at 300m |
490kHz - 1.705MHz | 24000uV/m/f(kHz) at 30m |
1.705MHz - 30MHz | 30uV/m at 30m |
30MHz - 88MHz | 100uV/m at 3m |
88MHz - 216MHz | 150uV/m at 3m |
216MHz - 960MHz | 200uV/m at 3m |
960MHz - 40GHz | 500uV/m at 3m |
周波数帯域の利用制限
以下のいずれかの要件にしたがっていること
デューティ比
最大出力 | 送信時間 |
---|---|
50mW (eirp) 以下 | 1%以下 |
50mW ~ 4W (eirp) | 1% ~10% |
周波数ホッピング (FHSS)
20dB bandwidth of the hopping channel | Hopping Number | Dwell Time | Terms of use |
---|---|---|---|
250kHz以下 | 20以上 | 8秒間に0.4秒 | 1時間あたり10%以内 |
250kHz以上 500kHz以下 | 10以上 | 4秒間に0.4秒 | 1時間あたり1%以内 |
安全に対する要件
以下のいずれかの技術要件に適合していること
IEC 60950-1 : Part1: General Requirements
IEC 62368-1 : Part1: Safety Requirements
TIS1561-2556 : Security Part1: General Requirements
人体への放射暴露に対する要件
無線通信機器の使用における人間の健康と安全に関する基準を定義した NTC TS 5001-2550 にしたがうこと
参照 : 無線通信機器の人の健康に対する安全基準
なお、920MHz帯を使って電気通信事業を営む場合は、別途通信事業者ライセンスが必要となるので注意して下さい。
関連ページ : タイの電波法とNBTC無線認証の取得
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